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急激に進む情報化や長期不況といった社会情勢が影響し、うつ病や自律神経失調症をはじめ、さまざまなストレス性疾患に悩んでいる人が増えています。人間にはもともとストレスに対する抵抗力が備わっていますから、ストレスが原因でずべての人が心の病気になるわけではありません。ですが、大きなストレス、いろいろなストレスが二重、三重にかかった場合、ささいなストレスでも長時間受け続けたりすれば、適応できなくなり、さまざまな症状が現れるようになります。
そもそもストレスという言葉はカナダの生理・病理学者ハンス・セリエが医学に導入したものです。セリエはストレスを「寒冷、外傷、疾病、精神的緊張などが原因で、体内に起こる非特異的な防御反応」と定義しました。そして、反応を引き起こす刺激のことを「ストレッサー」、刺激に対して反応して、ゆがみを起こした状態を「ストレス」と考えました。たとえば、突然、地震が起こったら、体がガクガクしたり、動悸がしたり、不安な気持ちになるでしょう。この場合は、地震がストレッサーで、それによる心身の変化の状態がストレスとなります。
■ストレッサーの種類と内容 |
物理的ストレッサー |
温熱、寒冷、高圧、低圧 |
環境的ストレッサー |
騒音、照明、空気汚染、振動 |
社会的ストレッサー |
多忙、残業、夜勤、責任、借金 |
肉体的ストレッサー |
病気、けが、不規則な生活、睡眠不足 |
精神的ストレッサー |
家族などの病気や死、失恋、解雇、倒産、挫折 |
人間関係のストレッサー |
職場や家族、親戚、近所、友人とのトラブル |
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