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ストレスが心身に影響を与えるのは、自律神経が関係しているからです。自律神経は自分の意志とは別に内臓などの機能を調節しています。自律神経が調節役となり、ストレッサーに対する防御体制が、体の中で整えられます。しかし、ストレッサーによる刺激が一定の限度を超えたり、長期になると防御体制が乱されます。そして、自律神経とストレスに深く関係するのが、ホルモンの分泌と免疫機能です。セリエ博士は、体にストレスが加わると、ある決まった一連の反応が起こる現象を「全身適応症候群」と呼びました。この全身適応症候群は、
警告反応期(ストレスに対するショック反応と、それから回復する過程)
抵抗期(ストレスにからだが慣れて、みかけ上安定している時期)
疲弊期(からだが適応能力を失い、警告期の前半のショック反応と同様の変化を起こす)
の3つに分けられます。
セリエ博士は、全身適応症候群が起こる背景には、副腎皮質が要の役割を演じていることだと強調しました。動物実験で、副腎皮質ホルモンを人工的に与えることにより、病気を作り出すことに成功しているからです。よって、ストレスとホルモンは密接にかかわっていることがわかります。免疫も、ホルモンと同じくストレスの影響で力を失います。ウイルスや細菌が体に入ってきたら、それを排除する働きが免疫機能です。自律神経を整えることで、ホルモンの分泌も免疫機能も活発な働きをして、健康は保たれます。
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