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自律神経失調症は現代社会が生み出したストレス病です。ストレスに弱いということは、体、社会の環境の変化に対応しにくいということです。めまぐるしい変化についていけず、ストレスを抱え込む人は増える一方です。さらに問題なのは、ストレスだけでなく、生活する人々の適応能力を奪ってしまうということです。例えば、ほとんどの職場や学校には冷暖房設備は備わっています。日常生活は快適でしょうが、からだは段々自分で温度調節ができなくなります。また車での移動ばかりの生活は足腰の筋力を奪います。精神面においても、昨今信じられない事件が増えている根底には、人を思いやり、自分の気持ちをコントロールする心の鍛錬ができていないといえますし、数字でしか優劣がつけられない人にとっては、人との付き合いは、やっかいなもの以外の何者でもありません。現代人は、人間関係にも適応できなくなりつつあります。もう一つの「適応できない」ケースは、過剰反応です。過剰反応とは、無理に適応してしまう、あるいは過度に適応してしまうことです。「頑張らないと」と自らにムチを打ち、本来の自分自身では適応できない環境に自分を押し込みます。元気に見えることもありますが、無理して頑張っているのですから、徐々に精神的疲労が蓄積され、自律神経のバランスは失われていきます。病気とは無縁と思われていた人が、急にダウンなんてことはそれほど珍しいことではありません。
●適応能力が低下する生活 |
ゲームやパソコンばかりしている。 |
決められた通りにしか行動できない。 |
数字(偏差値、売上)に振り回される。 |
無理をしてでも頑張ってしまう。 |
自分の世界に閉じこもりがち。 |
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