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自律神経失調症は、男性よりも女性に多く、特に30〜50代の女性に集中しています。第一の要因として、女性は月経や妊娠・出産、閉経により、たびたびホルモンのバランスが変化する生物的要因があります。自律神経の働きは、脳のいちばん内側にある視床下部でコントロールされていますが、この視床下部はホルモン分泌の司令塔でもあるので、ホルモン分泌の乱れが自律神経にも大きな影響を与え、自律神経失調症が起こりやすくなるのです。また第二の要因として、女性をとりまく社会的状況もあります。仕事と家庭の両立、育児・介護などで心身に多大なストレスを受け、発症してしまう患者さんも多く見られます。
女性は40歳半ば頃から50歳半ば頃にかけて、ホルモン分泌が急激に変化するため、「更年期障害」が起こりやすくなります。更年期障害では、のぼせ・めまい・耳鳴り・発汗異常・動悸・頭痛・肩こり・からだの痛み・便秘・食欲不振・不眠などの身体的な症状の他、イライラや憂鬱などの精神的な症状も現れます。自律神経失調症やうつ病と似た症状が現れますが、更年期障害の場合は、ホルモン補充療法で軽減することができます。 |